kubeadmのインストール
このページではkubeadm
コマンドをインストールする方法を示します。このインストール処理実行後にkubeadmを使用してクラスターを作成する方法については、kubeadmを使用したシングルマスタークラスターの作成を参照してください。
始める前に
- 次のいずれかが動作しているマシンが必要です
- Ubuntu 16.04+
- Debian 9+
- CentOS 7
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7
- Fedora 25+
- HypriotOS v1.0.1+
- Container Linux (tested with 1800.6.0)
- 1台あたり2GB以上のメモリ(2GBの場合、アプリ用のスペースはほとんどありません)
- 2コア以上のCPU
- クラスター内のすべてのマシン間で通信可能なネットワーク(パブリックネットワークでもプライベートネットワークでも構いません)
- ユニークなhostname、MACアドレス、とproduct_uuidが各ノードに必要です。詳細はここを参照してください。
- マシン内の特定のポートが開いていること。詳細はここを参照してください。
- Swapがオフであること。kubeletが正常に動作するためにはswapは必ずオフでなければなりません。
MACアドレスとproduct_uuidが全てのノードでユニークであることの検証
- ネットワークインターフェースのMACアドレスは
ip link
もしくはifconfig -a
コマンドで取得できます。 - product_uuidは
sudo cat /sys/class/dmi/id/product_uuid
コマンドで確認できます。
ハードウェアデバイスではユニークなアドレスが割り当てられる可能性が非常に高いですが、VMでは同じになることがあります。Kubernetesはこれらの値を使用して、クラスター内のノードを一意に識別します。これらの値が各ノードに固有ではない場合、インストール処理が失敗することもあります。
ネットワークアダプタの確認
複数のネットワークアダプターがあり、Kubernetesコンポーネントにデフォルトで到達できない場合、IPルートを追加して、Kubernetesクラスターのアドレスが適切なアダプターを経由するように設定することをお勧めします。
必須ポートの確認
Kubernetesのコンポーネントが互いに通信するためには、これらの必要なポートが開いている必要があります。 netcatなどのツールを使用することで、下記のようにポートが開いているかどうかを確認することが可能です。
nc 127.0.0.1 6443
使用するPodネットワークプラグインによっては、特定のポートを開く必要がある場合もあります。 これらは各Podネットワークプラグインによって異なるため、どのようなポートが必要かについては、プラグインのドキュメントを参照してください。
ランタイムのインストール
Podのコンテナを実行するために、Kubernetesはコンテナランタイムを使用します。
デフォルトでは、Kubernetesは選択されたコンテナランタイムと通信するためにContainer Runtime Interface (CRI)を使用します。
ランタイムを指定しない場合、kubeadmはよく知られたUnixドメインソケットのリストをスキャンすることで、インストールされたコンテナランタイムの検出を試みます。 次の表がコンテナランタイムと関連するソケットのパスリストです。
ランタイム | Unixドメインソケットのパス |
---|---|
Docker | /var/run/docker.sock |
containerd | /run/containerd/containerd.sock |
CRI-O | /var/run/crio/crio.sock |
Dockerとcontainerdの両方が同時に検出された場合、Dockerが優先されます。Docker 18.09にはcontainerdが同梱されており、両方が検出可能であるため、この仕様が必要です。他の2つ以上のランタイムが検出された場合、kubeadmは適切なエラーメッセージで終了します。
kubeletは、組み込まれたdockershim
CRIを通してDockerと連携します。
詳細は、コンテナランタイムを参照してください。
kubeadm、kubelet、kubectlのインストール
以下のパッケージをマシン上にインストールしてください
kubeadm
: クラスターを起動するコマンドです。kubelet
: クラスター内のすべてのマシンで実行されるコンポーネントです。 Podやコンテナの起動などを行います。kubectl
: クラスターにアクセスするためのコマンドラインツールです。
kubeadmはkubelet
やkubectl
をインストールまたは管理しないため、kubeadmにインストールするKubernetesコントロールプレーンのバージョンと一致させる必要があります。そうしないと、予期しないバグのある動作につながる可能性のあるバージョン差異(version skew)が発生するリスクがあります。ただし、kubeletとコントロールプレーン間のマイナーバージョン差異(minor version skew)は_1つ_サポートされていますが、kubeletバージョンがAPIサーバーのバージョンを超えることはできません。たとえば、1.7.0を実行するkubeletは1.8.0 APIサーバーと完全に互換性がありますが、その逆はできません。
kubectl
のインストールに関する詳細情報は、kubectlのインストールおよびセットアップを参照してください。
バージョン差異(version skew)に関しては下記を参照してください。
- Kubernetes Kubernetesバージョンとバージョンスキューサポートポリシー
- Kubeadm-specific バージョン互換ポリシー
apt
のパッケージ一覧を更新し、Kubernetesのapt
リポジトリーを利用するのに必要なパッケージをインストールします:sudo apt-get update # apt-transport-httpsはダミーパッケージの可能性があります。その場合、そのパッケージはスキップできます sudo apt-get install -y apt-transport-https ca-certificates curl gpg
Kubernetesパッケージリポジトリーの公開署名キーをダウンロードします。すべてのリポジトリーに同じ署名キーが使用されるため、URL内のバージョンは無視できます:
# `/etc/apt/keyrings`フォルダーが存在しない場合は、curlコマンドの前に作成する必要があります。下記の備考を参照してください。 # sudo mkdir -p -m 755 /etc/apt/keyrings curl -fsSL https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.29/deb/Release.key | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg
/etc/apt/keyrings
フォルダーはデフォルトでは存在しないため、curlコマンドの前に作成する必要があります。適切なKubernetes
apt
リポジトリーを追加します。このリポジトリーには、Kubernetes 1.29用のパッケージのみがあることに注意してください。他のKubernetesマイナーバージョンの場合は、目的のマイナーバージョンに一致するようにURL内のKubernetesマイナーバージョンを変更する必要があります(インストールする予定のKubernetesバージョンのドキュメントも読んでください):# これにより、/etc/apt/sources.list.d/kubernetes.listにある既存の設定が上書きされます echo 'deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/kubernetes-apt-keyring.gpg] https://pkgs.k8s.io/core:/stable:/v1.29/deb/ /' | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/kubernetes.list
apt
のパッケージ一覧を更新し、kubelet、kubeadm、kubectlをインストールします。そしてバージョンを固定します:sudo apt-get update sudo apt-get install -y kubelet kubeadm kubectl sudo apt-mark hold kubelet kubeadm kubectl
cat <<EOF > /etc/yum.repos.d/kubernetes.repo
[kubernetes]
name=Kubernetes
baseurl=https://packages.cloud.google.com/yum/repos/kubernetes-el7-x86_64
enabled=1
gpgcheck=1
repo_gpgcheck=1
gpgkey=https://packages.cloud.google.com/yum/doc/rpm-package-key.gpg
EOF
# SELinuxをpermissiveモードに設定する(効果的に無効化する)
setenforce 0
sed -i 's/^SELINUX=enforcing$/SELINUX=permissive/' /etc/selinux/config
yum install -y kubelet kubeadm kubectl --disableexcludes=kubernetes
systemctl enable --now kubelet
Note:
setenforce 0
およびsed ...
を実行することによりSELinuxをpermissiveモードに設定し、効果的に無効化できます。 これはコンテナがホストのファイルシステムにアクセスするために必要です。例えば、Podのネットワークに必要とされます。 kubeletにおけるSELinuxのサポートが改善されるまでは、これを実行しなければなりません。
CNIプラグインをインストールする(ほとんどのPodのネットワークに必要です):
CNI_VERSION="v0.8.2"
ARCH="amd64"
mkdir -p /opt/cni/bin
curl -L "https://github.com/containernetworking/plugins/releases/download/${CNI_VERSION}/cni-plugins-linux-${ARCH}-${CNI_VERSION}.tgz" | tar -C /opt/cni/bin -xz
crictlをインストールする (kubeadm / Kubelet Container Runtime Interface (CRI)に必要です)
CRICTL_VERSION="v1.22.0"
ARCH="amd64"
curl -L "https://github.com/kubernetes-sigs/cri-tools/releases/download/${CRICTL_VERSION}/crictl-${CRICTL_VERSION}-linux-${ARCH}.tar.gz" | sudo tar -C $DOWNLOAD_DIR -xz
kubeadm
、kubelet
、kubectl
をインストールしkubelet
をsystemd serviceに登録します:
RELEASE="$(curl -sSL https://dl.k8s.io/release/stable.txt)"
ARCH="amd64"
mkdir -p /opt/bin
cd /opt/bin
curl -L --remote-name-all https://dl.k8s.io/release/${RELEASE}/bin/linux/${ARCH}/{kubeadm,kubelet,kubectl}
chmod +x {kubeadm,kubelet,kubectl}
curl -sSL "https://raw.githubusercontent.com/kubernetes/kubernetes/${RELEASE}/build/debs/kubelet.service" | sed "s:/usr/bin:/opt/bin:g" > /etc/systemd/system/kubelet.service
mkdir -p /etc/systemd/system/kubelet.service.d
curl -sSL "https://raw.githubusercontent.com/kubernetes/kubernetes/${RELEASE}/build/debs/10-kubeadm.conf" | sed "s:/usr/bin:/opt/bin:g" > /etc/systemd/system/kubelet.service.d/10-kubeadm.conf
kubelet
を有効化し起動します:
systemctl enable --now kubelet
kubeadmが何をすべきか指示するまで、kubeletはクラッシュループで数秒ごとに再起動します。
コントロールプレーンノードのkubeletによって使用されるcgroupドライバーの設定
Dockerを使用した場合、kubeadmは自動的にkubelet向けのcgroupドライバーを検出し、それを実行時に/var/lib/kubelet/kubeadm-flags.env
ファイルに設定します。
もしあなたが異なるCRIを使用している場合、/etc/default/kubelet
(CentOS、RHEL、Fedoraでは/etc/sysconfig/kubelet
)ファイル内のcgroup-driver
の値を以下のように変更する必要があります。
KUBELET_EXTRA_ARGS=--cgroup-driver=<value>
このファイルは、kubeletの追加のユーザー定義引数を取得するために、kubeadm init
およびkubeadm join
によって使用されます。
CRIのcgroupドライバーがcgroupfs
でない場合にのみそれを行う必要があることに注意してください。なぜなら、これはすでにkubeletのデフォルト値であるためです。
kubeletをリスタートする方法:
systemctl daemon-reload
systemctl restart kubelet
CRI-Oやcontainerdといった他のコンテナランタイムのcgroup driverは実行中に自動的に検出されます。
トラブルシュート
kubeadmで問題が発生した場合は、トラブルシューティングを参照してください。